- 2010-02-19 (金) 21:25
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バンクーバーオリンピック男子フィギュアスケート。
プルシェンコは銀メダルでした。
ライサチェクはパーフェクトで、大柄で長い手足、ダイナミックな演技に圧倒されました。
でも、私のなかではやはりプルシェンコが金でした。
たしかに解説(本田さん)のとおり、今まで他選手と次元の違うジャンプ・演技力をみせていた彼を思えば、今日は「彼らしくない」でした。
でもそれはプルシェンコだから見劣りしただけで、今日も果敢に4回転にのぞみ、それも持ちこたえ、見事な滑りをみせていました。
その4回転ジャンプへの挑戦…これは以前からスケートを観戦している者にとって、とても感慨深いものがあります。
なぜなら、オリンピックにおけるフィギュアスケートが、あくまで「スポーツ」であるからです。
ただノーミスで安全な演技をみたくてオリンピックを観戦しているわけではありません。
(それを観たいのなら、エキシビションでのプルシェンコは観客の開いた口がふさがらないほど華やかなのですから)
この大会を機に、安全策をとる選手が増えるかもしれませんよね。
でも、メダルを取ること目的にチャレンジを辞めるなんて、正直つまらないです。
プルシェンコはダンスが上手いので、時に「ショーに向く人」なんて揶揄されましたが、そこは一流の選手、きっちりジャンプも克服し「いとも簡単に飛ぶ」と言われるまでになった人です。
そこには、過去の選手達の偉大な軌跡がある気がしてなりません。

私の記憶では、2002年ソルトレイクオリンピックの頃には、4回転が当たり前のハイレベルな戦いが繰り広げられていました。
今大会では評価の対象になりませんでしたが、このジャンプは、あの頃の選手たちがお互いに切磋琢磨して「スケート技術の向上」を目指し引っ張り上げたテクニックです。
ソルトレイクでは先輩ヤグディンと、彗星のごとく現れたプルシェンコが火花を散らせ、結果ヤグディンが金でプルシェンコは銀でした。
まだあどけなさの残るプルシェンコは一点をみつめ、表情をこわばらせていました。
でも観客も解説者も、このハイレベルな闘いに興奮し、この青年の持つ未知数の力にドキドキした様子でした。
そして2006トリノで、やっと王者の風格をみなぎらせ金を手にしたのです。
もちろん、ジャンプだけがスケートではありません。
彼らは4回転が当たり前(に近い)状態の上で、さらにダンス力(表現力)を競っていました。
そんな中で揉まれて、頭ひとつ抜け出したのがプルシェンコです。
今日はトリノでの4-3-2こそなかったものの(軸足もぶれてましたね)、見事に着氷してみせました。
それも、あり得ない体勢から持ちこたえての着氷。
プルシェンコの生半可でない根性を感じた瞬間でした。
私は、たとえ転んでもオリンピックで4回転にチャレンジした高橋大輔選手や小塚選手にとても感動しました。
そしてこの4年間、スター選手の不在のなか、3年も引退していながらたった1シーズンで調整した鉄人・プルシェンコの強靱なスピリットに熱狂しました。
トップでいながら、挑戦することから逃げない。
そんなプルシェンコは素晴らしいスポーツマンであり、美しい氷上のダンサーだと思いました。
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